2024年から始まった“令和の米騒動”。政府が備蓄米の「古米」「古古米」、さらには「古古古米」まで放出する異例の状況が続きました。
「古米は美味しいのか?それとも美味しくないのか?」といった話題が連日報道され、国民のお米への関心は一気に高まりました。
僕自身も、現在は昨年産の古米を食べていて「もっと美味しく食べる方法はないか?」と日々試行錯誤しています。
この記事では、科学的な根拠や昔ながらの知恵も取り入れながら、古米を美味しく食べるための具体的な方法をまとめました。
農家の方が大切に育てたお米を、最後まで美味しくいただくためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
① 「炊く前の準備」を変えて美味しくする

お米を炊飯器に入れる前に少し下準備をするだけで、古米のパサつきをグッと改善できます。ここでのポイントは「水分の吸収」です!
お米をザルでふるいにかける
古米には細かく砕けた砕米や粉が多く含まれがちです。これらを軽くふるって取り除くことで、雑味や濁りを防ぐことができます。
お米を洗うときはザルとボウルのセットがおすすめ!ぬかの除去とボウルの底に溜まった汚れを簡単に捨てることができます。
お米の研ぎ方のポイントはこちら↓
- 最初の水はすばやく捨てる!
お米は最初の水をよく吸収するので、濁った水を吸収しないようにします。 - すすぎは2〜3回程度!
白っぽい濁りは汚れではなく、旨味成分なのですすぎすぎないようにしましょう。 - やさしく手早く洗う!
力を入れて研ぎすぎると米粒が割れ、ベタついた炊き上がりになります。 - 水に浮くお米は取り除く!
浮いてくる米粒は中身がスカスカで美味しくないお米です。黒っぽい米粒もできるだけ取り除きましょう。
じっくり浸水する
研いだ古米はしっかり水に浸しておくことでパサつきが改善されます。古米は新米の推奨時間より1時間ほど長めにつけるのがポイントです。
また、冷蔵庫内で吸水させることをおすすめします。夏場に常温で放置すると雑菌の繁殖やぬか臭さの増大を招いてしまいます。
吸水時間の目安は冷蔵で2〜3時間です。冷蔵できない場合は、夏場は1〜2時間程度にしましょう。
- 夏場:1〜2時間
- 冬場または冷蔵:2〜3時間
② 「ちょい足しアイデア」で美味しくする

炊くときに“ちょい足し”するだけで、驚くほど古米が美味しくなる方法を紹介します。手軽にできるので、今日から試してみる価値のある方法です。
日本酒・みりんで甘みとツヤをプラス
お米に含まれるでんぷんは、炊飯中に糖化されます。この糖化反応を、酒類に含まれるアミノ酸や有機酸が促進することで、自然な甘みと香りが引き出されます(参考:日本醸造協会誌)。
お米2合に対して入れるおすすめの分量はこちら↓
- 日本酒:大さじ1
- みりん:小さじ1
ツヤ感も出て、見た目から美味しそうに仕上がるのが嬉しいポイント。僕が試した中で、最も美味しくなったと実感した方法です!
米油・ごま油でコーティング効果
・米油またはごま油:数滴
お米を油分で軽くコーティングすることで、水分の蒸発を防ぎつつ、粒感のある炊き上がりになります。
また、香ばしさが加わることで、食欲をそそる風味になります。
塩ひとつまみで味に深みを
・天然塩:ひとつまみ
塩はうま味の相乗効果を引き出すだけでなく、古米特有の“くさみ”もマスキングしてくれます。
ほんのひとつまみいれるだけで十分です。
梅干しを一緒に炊く
・種付きの梅干し:1個
梅干しに含まれるクエン酸は、炊飯中にニオイ成分(アルデヒド類など)を中和してくれます。
さらに、殺菌作用もあるので、夏場の炊飯には特におすすめです。
梅干しは、炊き上がったら取り除いてOKです。
重曹をほんの少し
・重曹:耳かき1杯程度
アルカリ性の重曹は、でんぷんを分解しやすくし、お米の粒を柔らかく仕上げる効果があります。
ただし入れすぎると独特の苦みや風味が出るので、量はごくわずかにしましょう。
③「 炊き方」を変えて美味しくする
炊飯モードや機器を見直すだけで、古米が驚くほどふっくら炊きあがります。
炊飯器のモードを賢く使い分ける
多機能な炊飯器の場合「玄米モード」「炊き込みモード」があります。これらのモードは加熱時間が長く、火力も強めに設定されているため、水分が入りにくい古米にもじっくり火が通るんです。
白米モードより時間はかかりますが、その分ふっくら感が増すのでおすすめです。
氷を使って炊く
炊飯時に氷を1〜2個加えるのも効果的です。
氷で水温が下がると、加熱までに時間がかかり、その間にゆっくりとお米が吸水。その結果、お米の内部までしっかり水分が浸透し、甘みが引き立ちます。
圧力鍋で炊く
通常の炊飯器では水の沸点である約100℃までしか加熱できませんが、圧力鍋なら内部の圧力が高まることで120℃前後まで加熱可能になります。
この高温調理により、米のでんぷんがより完全に糊化(こか)し、芯までやわらかく、粘りと甘みのあるご飯に炊き上がります。
おすすめの圧力鍋を3つ紹介します!煮込み料理などにも使えるので1つ持っていて絶対に損はないです!
長く使うものなので日本製がおすすめですよ!
④ 「料理法」で美味しくする

料理の種類によっては、古米のデメリットがメリットに変わるものもあります。
お寿司・酢飯にする
酢飯は、あえて粘りを抑えたほうが酢と馴染みやすく、さらりとした口当たりになります。実際、お寿司屋さんは古米を使っているところが多いらしいです!
古米の水分量の少なさが、べたつかず扱いやすいというメリットになります。
リゾットにする
古米を使ってリゾットを作ると、芯のある食感が楽しめて、煮崩れしにくいという利点があります。出汁やチーズの旨味がしっかり染み込み、風味豊かな一品に仕上がります。
同様に、雑炊やおかゆ、ドリアなどもおすすめです。
チャーハンやピラフにする
水分の少ない古米は、炒めてもべたつきにくく、粒立ちが良いのが特徴です。これは業務用の中華料理店などでも古米を活用する理由の一つです。
少し冷ましてから炒めると、更にパラパラ感がアップして美味しくなります。
⑤ 番外編

令和の米騒動で痛感したことは、今後もお米の価格は安定しないということです。安い時代はもう終わりました…。
この経験がきっかけで、新米を大量に購入してストックしようと考えた方も多いのではと思います。
ここでは、お米を長期保存するテクニックを紹介します。僕がおすすめするのは「玄米で大量購入+自家製米」です!
購入〜保存方法
モミまたは玄米で購入する
精米された白米は、空気や湿気に触れることで劣化しやすく、風味や栄養価が落ちやすくなります。
それに対して、モミや玄米のままの状態であれば酸化の進行が遅く、鮮度を保ったまま長期間保存することが可能です。お米本来の美味しさを長く楽しむためには、モミや玄米での購入がおすすめです。
空気を抜いて保存する
湿気と酸素はお米の大敵です。
そのため、布団圧縮袋を使って密閉保存すると、空気や湿気をシャットアウトできます。乾燥剤や脱酸素剤を併用すればさらに効果的。これだけで、半年以上は風味を保てます。
布団圧縮袋は100均でも売っている時代になりました!安価に購入できるのでおすすめです↓
冷温で保存する
保存温度が高いと、虫の発生や酸化が進みやすくなります。
そのため、冷蔵庫(野菜室など)や10〜15℃前後の涼しい場所で保存するのが理想的です。
自家精米方法
「精米」と聞くと、大きな業務用機械を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は家庭でも使えるコンパクトな精米機が市販されています。
家庭用精米機があれば、必要な分だけその都度精米できるので、お米の酸化や風味の劣化を最小限に抑えられ、いつでも新鮮で美味しい白米が楽しめます。
僕がおすすめの精米機を紹介します!1万円台で購入でき、レビュー評価も高い、コスパ抜群のアイテムです↓
まとめ
令和の米騒動で注目を集めた「古米」ですが、ちょっとした工夫で格段に美味しく楽しむことができます。この記事では、古米を美味しく食べるためのさまざまな方法をご紹介しました。
▼この記事のポイントまとめ:
- お米をザルで洗って、冷蔵庫で2〜3時間浸水させる。
- 日本酒・みりん・米油を入れて炊く。
- 炊飯器の玄米モードや圧力鍋で炊く。
- 酢飯、リゾット、チャーハンなどで使用する。
- 玄米で購入→布団圧縮袋+脱酸素剤で長期保存させる
- 家庭用精米機を使う
農家さんが丹精込めて育てたお米を、最後まで美味しくいただくために。
古米だからといってあきらめず、ぜひ今回ご紹介した方法を実践してみてください!