最近は気温の変化などの影響もあって、野菜の価格がじわじわと上がっているのを感じることが増えました。「それなら、自分で育ててみるのもアリかも?」と思い立ち、今年はベランダでの家庭菜園にチャレンジすることにしました。
育てるのはパプリカ系のフルーティーピーマン。しかも今回は、手入れがしやすくて多収穫も期待できそうな「水気耕栽培」で育ててみることにしました。
この記事では、栽培の準備から育てる過程まで、試行錯誤の様子をリアルに記録しています。これから始めてみたい方のヒントになれば嬉しいです。
今回選んだピーマンの品種について
初めてのベランダ菜園に選んだのは、フルーティーピーマンの「スイートパレルモ」です。

グリーンピーマンを買おうと思ってホームセンターへ言ったのですが、このバカでかくてキャッチコピーを詰め込んだPOPを見たらもう…買ってました笑
「スイートパレルモ」は、フルーティーな甘さが特徴のパプリカ系ピーマンです。一般的なピーマンとは異なり、苦味がほとんどなく、まるでフルーツのような風味が楽しめるためフルーティーピーマンとも呼ばれています。完熟果の最高糖度はなんと10度です!
見た目は細長く、赤・黄色・オレンジとカラフルで、サラダに添えたら華やかさがアップしそう。実なり数もピーマン並みに多収穫だそうでワクワクが止まりません。
水気耕栽培で育つのかは全く分かりませんが、ピーマンと同じ系統だから大丈夫では?と楽観的に考えて栽培スタートです。
ミニトマト、グリーンピーマンの栽培記録はこちら↓
栽培の準備|水気耕栽培の挑戦!
今回のスイートパレルモ栽培では、一般的な土を使ったプランター栽培ではなく、水気耕栽培を選びました。
というのも、以前プランターでミニトマトを育てたとき、水やりのムラや病害虫のトラブルで失敗した経験があり、もう少し管理のしやすい方法を探していたからです。
水気耕栽培なら、液体肥料と水を与えるだけで安定して育てられ、収穫量も多いので、初心者でも楽しみやすいことが魅力です。
ただし、準備には少し手間と費用がかかります。今回は100円ショップやホームセンター、ネット通販で購入できる最低限の機材を入手してスタートしました。
準備に使った道具や手順の詳細は、以下の記事で詳しく紹介しています。これから始めてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

フルーティーピーマン「スイートパレルモ」の栽培記録(2025年9月更新)
栽培地は九州南部です。暖地に分類されていますので、長く暑い夏を乗り切れるかがポイントになりそうです。
また、栽培場所は2階の屋根付きベランダで東南方向の角にあります。日当たりは午前中〜14時頃までになります。(真夏の日中は屋根で日光が遮られる環境です)
4月16日スタート|苗の定植と初期の様子
まずは100円ショップで購入したザルとボウル、ハイドロボールを使用して定植しました。これから水気耕栽培に適した根っこがザルの底から出てくるまではこの状態で管理します。
養液の濃度は標準より薄めのEC値1,000μS/cmにしています。(標準は2,000μS/cm)


水気耕栽培にとって、養液の濃度状態を知ることは必須です。安いものは千円程度ですのでECメーターの購入を強くおすすめします。
収穫数の目標は34個!
栽培を始めるにあたり目標を立ててみました。
今回初めて水気耕栽培にチャレンジするにあたり、初期費用が9,000円弱かかりました。また、1ヶ月あたりの電気代を100円と仮定すると、年間の栽培(4〜10月)で700円です。全体をざっくり四捨五入すると約10,000円です。
実はスイートパレルモの他にミニトマトとグリーンピーマンを同じように育てています。3つ合わせて初期費用を回収したいので、1種類あたり約3,400円分の収穫が必要です。
スイートパレルモ1個あたりの市場価格はChatGPT先生曰く、200円程度だそうです。パプリカもそれくらいですが、今回は低く見積もって1個100円とします。3,400円をペイするには「34個」の収穫が必要なので、この数字を目標とします!
一般的に、パプリカ1株あたりの収穫数の目安は30個ということなので同程度収穫できればOKです。初心者の自分では難しそうですが、頑張ってチャレンジしてみます。
定植から14日目|4月30日
背丈は17cmと伸びていません。強風で葉が取れた影響もあるのでしょうか。



水気耕栽培では栄養が十分に行き渡るので、花芽や脇芽は摘まずに放任栽培したいと思っています。
26日目|5月12日
ついに根っこが出てきました!葉も旺盛に生えてきて順調です。


そして、先端の方を見てみると…


根っこがもう少し育ったら本格的な水耕栽培装置に移したいと思います。
30日目|5月16日
グリーンピーマンは水気耕栽培装置へ移行しましたが、スイートパレルモは成長が遅いです…
パプリカ系のピーマンは成長がゆるやかなようなのでもう少し様子をみたいです。



34日目|5月20日
グリーンピーマン”京波”から遅れること7日。遂に水気耕装置へ引っ越ししました!というのも、九州南部は観測史上初めて全国トップで梅雨入りが発表されたので、早めに移行せねばと思ったからです。
移行した様子をご覧ください。





水気耕栽培装置の作り方についてはこちらの記事に詳しく記載しています。

42日後|5月28日
支柱を挿したのはいいものの、株がグラグラ動いてしまいます。
支柱が動かないように固定するための工夫を猫よけマットを使って作ってみました。(写真はトマトのバケツですが同様のことを行っています)




更に支柱を太く長いものに変えると、見事グラつかなくなりました!
合わせてダイソーで購入したガーデンクリップで留めて固定しました。






水気耕栽培に移してから初めて液肥を追加しました。まだ株が小さいので養液の減りはかなり少ないので管理は楽です。害虫に注意しながら見守っていきたいです。
58日後|6月13日
本格的な梅雨に入ってきました。ここ1週間ほどお日様が出ていません。生育が心配ですが、今のところ順調に育っています。





果実は現在9cmほどですが、成長すると20cm以上に育ちます。まだまだ収穫時期ではありませんが先が楽しみです。
しかし、葉裏を見ると微小の害虫らしきものが動いていました。これからは害虫が多くなってくるので対応を考えたいと思いました。
112日後|8月6日
観測史上最も早い梅雨明けとなった6月末から、長い長い猛暑が続いています。
更新が滞っておりましたが、スイートパレルモはすくすく育ち、初収穫の日を迎えました!






収穫したパレルモはシンプルにオリーブオイルで焼き、塩を振って食べました。食べてみた感想ですが、全く苦みがなく甘くて美味しかったです。あまりピーマンのような味はしなくて、やはりパプリカ系の品種だなという印象をうけました。
株はまだ小さいですが、次々と実がつき始めています。初めての栽培なので、今年はこのまま自然に任せて育ててみるつもりです。ただし、収量があまり増えなければ、来年は摘花をして株をしっかり大きく育ててから収穫したほうがよさそうだと考えています。
138日後|9月1日
雨が少なく猛暑が続いています。
パレルモはいくつか実が熟してきたので収穫しました。



順調に育っているなと思っていましたが、縮れた葉が多くなってきました。葉の裏をよく見るとなんと害虫がわんさか!隣のグリーンピーマンも同じ被害を受けていました。
YouTubeやChatGPTの力を借り、対策を調べに調べた結果、良い農薬を発見しました。
OATアグリオ社の「サフオイル乳剤」です。
この薬剤は食用植物油を成分とする安全性の高い薬剤で、ハダニ・アブラムシ・コナジラミなどの害虫を窒息させて殺虫するタイプの防除資材です。薬剤抵抗性がつきにくく、卵〜成虫まで幅広い発育段階に効果があります。
また、連続散布が可能で収穫前日まで使用できるというのも初心者にはありがたい薬剤です。


この薬剤は 物理的作用(窒息効果) なので、化学農薬のように長期間効き続ける残効はあまり期待できません。したがって「病害虫の発生状況を見ながら繰り返し散布する」のが基本です。今後は、5〜7日後を目安に再散布したいと思います。
引き続きレポートします
今回は、フルーティーピーマンの「スイートパレルモ」の水気耕栽培にチャレンジした様子をお届けしました。
まだ栽培は始まったばかりですが、今後も成長の様子や気づきなどを定期的にブログで記録していく予定です。
また、InstagramやThreadsでは、リアルタイムで日々の栽培の様子やちょっとした気づきを投稿しています。ぜひフォローしてチェックしてみてください。
今後の収穫や味の感想、水気耕栽培ならではの工夫についても引き続き発信していきますので、お楽しみに!
ミニトマト、グリーンピーマンの栽培記録はこちら↓