2024年に新NISAが始まり、世界的な株高が続くニュースを見て「投資を始めた方が良いのは分かるけど、なんだかよく分からなくて怖い…」と感じている方は多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決するために投資歴15年以上の私が最適だとおすすめするのは「インデックス投資」です。
インデックス投資の基本については沢山のサイトで解説されていますのでおさらい程度にして、この記事では主にインデックス投資をすることによって、どういった利益をもたらすのか?というベネフィットについて深掘りします。
結論として、インデックス投資は「一般庶民にできる、現時点で最強の投資法」だということです。
それでは詳しく解説していきます。
インデックス投資とは?
インデックス投資とは、市場全体の動きを示す指数(=インデックス)と連動した値動きを目指す投資方法です。「指数」という言葉が出てきましたが、具体的には以下のグラフのような株価指数のことです。
出典:Yahoo!ファイナンス
このグラフは2024年から過去10年の「日経平均株価の指数」です。ニュースや新聞でよく取り上げられる指数で、皆さんも見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。日経平均株価は日本を代表する225銘柄の株価を平均した指数です。日経225や日経平均と呼ばれたりします。
インデックス投資は、このような指数の値動きに連動した投資成果(利益)を目指す運用を行います。指数は日経平均の他にも「NYダウ(ダウ平均株価)」や「S&P500指数」、「ナスダック総合指数」などたくさんの種類があります。
1つの企業(例えばApple社やTOYOTA社など)に投資するのではなく、市場全体に投資をするイメージです。市場とは例えば、日本全体やアメリカ全体、新興国全体や全世界などです。今後、長い目でそれらの市場が伸びていけば利益が還元される投資ということです。
なぜインデックス投資が最強なのか?
「投資」の種類は沢山あります。個別株式の売買、FX、不動産、債券投資、コモディティ投資(金や銀、石油など)、暗号通貨など…。
インデックス投資がなぜ庶民に最強な投資法なのか順を追って説明します。
過去の実績から読み解く
上のグラフをご覧ください。これは、S&P500指数というアメリカの代表的な指数です。1980年から2023年までの実績をグラフにしたものです。
このグラフを見ると、アメリカ市場は長期的に右肩上がりで指数が伸びていることが分かります。この間、ブラックマンデー(1987年)やリーマンショック(2008年)、新型コロナショック(2020年)など多くの暴落がありましたが数年で回復し、結果としてアメリカ経済は強い成長を続けています。これは紛れもない事実です。
同様に全世界の株価指数も右肩上がりになっています。(世界の経済の中心はアメリカなので全世界も連動するように動きます)これらの指数に連動するインデックス投資を行っていれば、この間、順調に資産を増やすことができたという訳です。
未来の世界を予想する
過去の実績は疑いようがありませんが、未来は絶対に右肩上がりになるのでしょうか?
残念ながら答えは“分からない”です。
未来は誰にも分かりませんし、投資のプロでもことごとく予想が外れる世界です。
しかし、未来を予想し行動できる人が成果を手に入れられます。明日の天気予報は晴れだけど、雷が落ちる可能性は0ではない!と主張して家から出ないつもりでしょうか?雨になってもいい対応をとりながら、外に飛び出していく人が美味しい果実を得られます。
あくまで私の見解ですが、世界市場の未来は右肩上がりに成長していくと考えています。理由は以下の通りです。
上のグラフは国連が発表している世界の人口予測です。日本の人口はどんどん減少していますが、世界の人口は2080年代に現在の80億人から103億人に増加すると予想されています。多少の誤差はでると思いますが、今後50年、人口は増え続けることは間違いないでしょう。
人間が増えるということは、それだけモノが必要になります。食料はもちろん、衣類、住環境など全ての需要が増え消費が拡大されます。様々な市場がどんどん大きくなるので、お金の量や流れが大きくなり、企業は成長し株価指数は上がると考えます。
また、世界の主要国はとても発展し豊かになっていますが、そうでない国はまだまだ多いです。アフリカや中南米、アジア、オセアニアなどは今後、主要国のように豊かになっていくことが予想されます。世界全体が豊かになっていくと、自ずと企業の売り上げや価値が上がり、株価指数は右肩上がりになります。特にモノやサービスを供給できる先進国には今よりもお金が集まってきます。
1つの企業がこれから50年伸び続けるか予想することは非常に難しいです。GAFAMでも難しいのではないでしょうか。
1社への投資(個別株投資)よりも、市場全体に投資するインデックス投資は伸び続ける可能性が高く、低リスクで資産を増やすことができる投資法だと考えられます。
誰でも少額で投資可能
これまで、このような有益な投資法は一部のお金持ちだけが利用できました。しかし、インターネットの普及や、様々な金融商品の誕生により競争が生まれ、一般庶民でも100円単位から簡単に投資できるようになりました。NISAの後押しもあり、低コストのインデックスファンドを地位や身分に関わらず誰でも利用できます。
インデックス投資は、投資における難しい部分をプロの投資家集団(ファンド)が代わりに行ってくれます。分散投資やリバランスなど、一般人ではなかなか理解できませんし、世界の動向に常にアンテナを張っていなければいけませんので、その辺りをプロに任せることができるのは安心です。(信託報酬手数料は必要ですが僅か0.1%以内という商品も増えてきました)
最低限の金融リテラシーは必要ですが、インデックス投資は基本的にお金を預けて放置するだけです。あとは長期で積み立て続けられれば資産は増加していくでしょう。
複利の爆発力
インデック投資は残念ながら短期間でお金を増やすことはできません。増えるお金は1年で僅か5〜10%ほどです。100万円運用したとしても5万円程度しか増えません。それが最強の投資法?と疑問に思うかもしれませんが複利効果で大爆発します。
複利とは、投資で得た利益(利息や配当金)を元本(もともとのお金)に組み入れて再投資する方法です。
例えば、100万円の元本を年利10%で運用すると、1年後は110万円に増えます。2年目は110万円を運用するので10%増えて121万円になります。1年目は10万円増えましたが、2年目は11万増え、1万円多く利益が出ました。
これを続けていくと、3年目は133.1万円、4年目は146.41万円、5年目は161.051万円…のように増えていき、毎年の利幅がどんどん増えていきます。
年利10%の場合、資産は約8年で2倍になり、約25年で10倍になります。
積み立てシミュレーション
具体的に実際の利用シーンに近いシミュレーションをしてみます。下のグラフは年利10%のインデックス投資(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500))に毎月3万円ずつ40年間積み立てした資産の増加具合です。
- 10年後:積立額360万に対し評価額が約600万(運用益約240万)
- 20年後:積立額720万に対し評価額が約2,150万(運用益約1,430万)
- 30年後:積立額1,080万に対し評価額が約6,190万(運用益約5,110万)
- 40年後:積立額1,440万に対し評価額が約1億6,650万(運用益約1億5,210万)(約34年で1億円突破)
30歳で積み立てを始めると、年金を貰う65歳の時点で1億円の資産を形成できるということです。20歳から始めると55歳の時点で億り人です。
月々3万円の積み立てなので、比較的誰でも実現可能ではないでしょうか。宝くじを当てようと頑張るより、よっぽど現実的だと思います。
一般庶民でも長い時間をかけて投資を行えば、億万長者になれる可能性があるのがインデックス投資です。一般庶民にとって最強の投資法だと言えるのではないでしょうか。
※上記シミュレーションは過去の実績から導き出した未来予測の為、結果を保証するものではありませんのでご注意ください。
失敗しないために
これまでインデックス投資の良い点を解説してきましたが、失敗しない為のコツをまとめてみました。
- 数十年単位で運用すること。(頻繁な売買は行わない)
- 市場の動向に惑わされず、コツコツ積み立てること。(例えば、毎月3万円を積み立て続ける)
- 余剰資金で投資すること
- 経済について勉強を怠らないこと
若い方など毎月の資金の捻出が難しい場合は、5,000円などから始めても構いません。できるだけ長く市場に居続けることが資産を増やすポイントになります。
よくある質問と回答(FAQ)
インデックス投資の名著の紹介
私がグダグダ説明しても説得力がないと思いますので、インデックス投資の世界的名著を3冊ご紹介します。いずれもロングセラーとなっている名著で、インデックス投資について詳しく記載されています。名著を読むことが成功への近道ですので是非ご一読ください。
敗者のゲーム
「敗者のゲーム」(原題:Winning the Loser’s Game)は、チャールズ・エリスによるインデックス投資の名著です。エリスは、投資の世界では大多数の投資家が市場に勝つことが難しいと主張し、インデックスファンドへの投資を推奨しています。本書は、投資家が市場全体のリターンを目指すことで、長期的に安定したパフォーマンスを得ることができると説いています。また、投資の基本原則や戦略を平易な言葉で解説しており、初心者から経験豊富な投資家まで幅広く役立つ内容となっています。
ウォール街のランダム・ウォーカー
「ウォール街のランダム・ウォーカー」(原題:A Random Walk Down Wall Street)は、バートン・マルキールによるインデックス投資の名著です。本書は、株式市場の価格はランダムな動きをするため、個別銘柄の予測は難しいと主張しています。マルキールは、市場の平均的なリターンを狙うインデックスファンドへの投資が、専門家によるアクティブファンドよりも優れていると説明しています。また、投資の基本的な理論や実践的なアドバイスが豊富に含まれており、初心者から上級者まで幅広い読者にとって有益な内容となっています。
JUST KEEP BUYING
「JUST KEEP BUYING」は、ニック・マジュリエリーによるインデックス投資の実践的ガイドです。本書は、シンプルで効果的な投資戦略を提唱し、長期的に資産を増やすための手法を解説しています。著者は、定期的かつ継続的にインデックスファンドを購入することの重要性を強調し、市場のタイミングを図るのではなく、時間を味方につける戦略を推奨しています。また、投資初心者にも分かりやすく、リスク管理や資産配分の基本についても触れています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。インデックス投資が一般庶民に最強な投資法ということを解説してきました。まとめると以下の通りです。
- インデックス投資とは市場全体に投資する方法
- 世界人口は増加し続けるから市場の拡大が予想できる
- 分散投資なのでリスクが低い
- 投資のプロに運用を任せるので自分で勉強する必要が少ない
- 複利効果で雪だるま式に利益が増える
- 100円から投資できる
銀行に定期預金するような手軽さで始められます。いつの間にか気づいたら資産が増えてる…という未来が理想ですね。積み立てるとクレジットカードや楽天などのポイントを貯める方法もあります。
新NISAの導入を機に、世界的な株高の恩恵を受けるためにも、ぜひインデックス投資を検討してみてください。