自営業者として独立したものの、将来の退職金が心配になることはありませんか?
退職金がない自営業者にとって、老後の資金確保は大きな課題です。しかし、そんな不安を解消するための強力な制度が存在します。それが、iDeCo(個人型確定拠出年金)です。
この記事では、自営業者がiDeCoを活用して退職金を貯める方法と始め方について詳しく解説します。
- iDeCoのメリットがいまいちピンときていない人
- 自営業を始めたばかりで退職金がないことに不安を感じている人
- 老後の資金計画をしっかり立てたいと考えている人
- 自営業でもできる節税対策を知りたい人
自営業の退職金問題
会社員や公務員として働く大きなメリットとして「厚生年金」と「退職金」が挙げられれ、どちらも老後に手厚い保障を受けることができます。自営業者は、国民年金基金に加入することで厚生年金と同等水準の年金を受け取ることができますが、退職金は自分自身で準備しなければいけません。
しかし、日々の経費や生活費に追われてなかなか貯金ができないという方も多いのではないでしょうか。そんな自営業者にとって強力な老後資金の形成ができる制度がiDeCoです。
iDeCoとは?
iDeCo(イデコ)は、自営業者などが老後資金を積み立てるための制度です。
毎月一定額を積み立て、その資金を金融機関に運用(投資)してもらうことで、老後の資金を形成します。iDeCoの最大の特徴は、税制優遇措置がある点です。掛金が全額所得控除されるため、所得税・住民税の負担が軽減されます。また、運用益も非課税となるため、資産を効率的に増やすことが可能です。
受け取り時は、退職金のように一括で受け取る方法と、年金のように毎月一定額受け取る方法があります。自分のライフプランや資金需要に合わせて最適な受け取り方法を選ぶことができます。
自営業者がiDeCoを活用するメリット
税制優遇措置
毎月の掛け金が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税が軽減されます。これにより、実質的な支払いが減り、手取りが増える効果があります。
例えば、年間24万円を積み立てした場合、所得税率20%の方なら4.8万円の節税効果があります。
運用益が非課税
iDeCoの運用で得た利益は非課税となります。通常の投資信託や株式投資では、運用益に対して約20%の税金がかかりますが、iDeCoではこの税金がかかりません。
受け取り時の税制優遇
60歳以降に受け取る際にも、一時金で受け取る場合は退職所得控除が、年金形式で受け取る場合は公的年金等控除が適用され、税制上のメリットがあります。
運用商品や積立額の変更が可能
iDeCoは運用中でも柔軟に商品の変更や積立額の変更ができます。収入が増えた場合には積立額を増やし、収入が減少したり支出が増えた場合には積立額を減らすなど、生活費に負担をかけずに老後資金の形成を続けることができます。投資スタイルやリスク許容度が変わった場合も、ライフステージに合わせて商品を選び直すことができます。
iDeCoのデメリット
途中引き出しができない
iDeCoの最大のデメリットは、原則として60歳になるまで積立金を引き出すことができない点です。緊急の資金が必要になった場合でも、iDeCoの資金は使えません。
逆に考えると、貯金ができない方にとっては強制的に積立てができるメリットとも考えられます。
手数料がかかる
加入時、運用期間中、給付時にそれぞれ手数料がかかります。運用する金融商品によっては、管理費や信託報酬などの手数料も発生します。利回りがよく、信託報酬の低い商品を選ぶことが重要です。
運用リスクがある
投資する商品によっては元本割れのリスクがあります。運用結果によっては、積立金が減少する可能性もあります。
iDeCoの始め方
iDeCoの加入には、金融機関を通じて申し込みを行います。退職前の会社が確定拠出年金(企業型DC)に加入していた場合は、退職後6ヵ月以内に移管しましょう。
iDeCoの始め方の手順は以下の通りです。
iDeCoを取り扱う金融機関(銀行、証券会社、保険会社など)を選びます。手数料や提供されている運用商品の種類、サービス内容を比較して、自分に合った金融機関を選び加入申込書を取り寄せましょう。
私はSBI証券のiDeCoを利用しています。最大手の証券会社なので手厚いサポートや信頼性があります。低コストで豊富な商品を扱っており、将来に渡って安心してお付き合いできます。すべてオンラインで手続きできますので詳しくはホームページをご覧ください。
選んだ金融機関で提供されている運用商品の中から、自分の投資方針に合ったものを選びます。株式、債券、投資信託、定期預金など、多様な選択肢があるため、リスクとリターンを考慮してバランスよく選ぶことが重要です。
私はSBI証券で「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を選び運用していますが、評価額が積立額の2.4倍まで増えています。もう少しリスクを減らして運用したい場合は「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」がおすすめです。
iDeCoの加入には、基本的に以下のものが必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 掛金引落口座情報
- 基礎年金番号などの加入申込情報
金融機関によって必要なものは変わりますので、詳しくはホームページ等でご確認ください。
加入申込書に必要事項を記入します。運用商品や積立額もこの段階で決めます。書類の記入が終わったら、本人確認書類などと一緒に提出します。
金融機関での審査が完了すると、iDeCoの専用口座が開設されます。その後、口座に初回の積立金が拠出され、運用が開始されます。積立金の引き落としは毎月の指定日に自動で行われます。
運用が開始された後も、定期的に口座の状況や運用成績を確認しましょう。必要に応じて運用商品や積立額の変更を行い、最適な運用を続けます。
まとめ
自営業者にとって退職金の準備は大きな課題ですが、iDeCoを活用することで効率的に老後資産を形成することが可能です。節税効果や運用益の非課税など、多くのメリットを享受しながら、将来の安心を手に入れましょう。早めに行動を起こし、充実した老後を迎えるための準備を始めてみてください。